いい人になる方法 (新潮文庫)

Novel by ニック・ホーンビィ

Blurb

ニック・ホーンビィの『How to Be Good』の主人公、ケイティ・カーは、確かに「良い人間」であろうとがんばっている。だからこそ彼女は一般開業医になったのだし、第三世界の債務やホームレスの問題を気にかけているのも、分別ある母親として必死に子どもたちと向き合おうとしているのも、そのためだ。そして、自称「ホロウェーで一番怒っている男」である、夫のデイヴィッドにずっと我慢してきたのも、ひとえに良い人間でありたいがためなのである。

ところがある運命の日、彼女はリーズの駐車場で、別の男と寝てしまう。その不貞は、しかし、ラッシュアワーのインターステートハイウェイよりも苦痛な崇高なる旅路への第一歩となった。なぜなら、妻の行動に触発されたデイヴィッドが、怒るのをやめようと決心したからである。彼は良い人間になろうとしはじめる。といっても、政治的に公正な、オーガニックフードを食するタイプの「良い人間」ではなく、福音書的な意味での良い人間である。しかし今日のホロウェーでは、それは古代のイスラエルでほど簡単なことではなかった。

ホーンビィの意図は、我々にそのタイトルを文字どおり受け取らせることである。どうすれば良い人間になれるのか、良い人間とは何か。しかし、読者に手近な鉄綿たわしで魂を磨くよう要求するかわりに、彼は、トレードマークともなったそのウィットと哀れみのカクテルで我々を魅了する。そうして生まれたのは、多面カットの宝石のような作品である。

愉快なドタバタ劇、中産階級の道徳観の綿密な分析、そして断末魔にあえぐ結婚に寄せる、同情に満ちた描写。デイヴィッドが子どもたちのコンピュータを強引に手放させてしまうとき、財産を人々に分配すると言い出すとき、妻の患者のうち最もうらぶれた連中を日曜の昼食会に招くとき、我々は笑うべきか泣くべきかわからなくなる。それは『How to Be Good』が、残酷なほど赤裸々に真実を伝えながらも希望に満ちているというはなれ技に成功しているからである。聖書を超える売れ行きは望めないかもしれないが、聖書よりずっとおもしろいのは確かだ。

First Published

2001

Member Reviews Write your own review

Be the first person to review

Log in to comment