嘔吐

Autobiography by ジャン=ポール・サルトル

Blurb

『嘔吐』は実存主義者の小説家サルトルが1938年に著した小説である。大学教授であった頃の作品で、彼の著作の中で最も良く知られるものの1つである。カフカの影響を受けているとされる。原題は直訳すれば「吐き気」を意味する。1938年4月の出版に際し、サルトルによる当初のタイトル「メランコリア」は退けられ、ガストン・ガリマール案出の書名で落ち着いた。
ル・アーヴルに似た街で、ある絶望した研究者が事物や境遇によって彼自身の自我を定義する能力や理性的・精神的な自由が侵されているという確信に至り、吐き気を感じさせられる様子が描かれている。
実存主義における聖典の1つと広く考えられている。1964年、サルトルにノーベル文学賞が与えられることが決定されたが、彼の「着想、自由の精神、真実への探求心に富み、現代社会に大きな影響を及ぼした作品」が評価されたといわれている。サルトルはノーベル賞を辞退した数少ない人々の1人であり、ノーベル賞を「資産家層によって作られた儀式に過ぎない」と評した。
日本語訳は1951年に白井浩司訳が人文書院より発行されているが、2010年には59年ぶりに鈴木道彦により全面的に新訳され同社から刊行された。

First Published

1938

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