アーサー王の死

by トマス・マロリー

Blurb

『アーサー王の死』 は、15世紀後半にウェールズ人の騎士トマス・マロリーによって書かれた長編作品。内容はアーサー王の出生にはじまり、円卓の騎士たちの活躍、ランスロットとグィネヴィアの不義、最後の戦い、アーサー王の死までを含む、中世のアーサー王文学の集大成ともいえる作品である。
作者トマス・マロリーは、1450年代初期からこの長大な作品の制作を開始し、1450年代のたびたびの投獄中にもこの大作の執筆を続け、出獄後、早くとも死の2年前より遅い時期、かつ1470年までにこの大作を完成したとされている。
著者トマス・マロリーが1470年までに書き上げた段階では本書は『アーサー王と高貴な円卓の騎士』という題であったが、出版業者ウィリアム・キャクストンが1485年にこれを出版する際、『アーサー王の死』と改題した。
キャクストンによる題名は、原書の最終話の題名「円卓の騎士たちの分裂とアーサー王の死」から、その一部を借用しているに過ぎない。生誕から死までのアーサー王伝説、円卓の騎士伝説、トリスタンとイゾルデ伝説、聖杯伝説などを含む作品全体の題名としては『アーサー王の死』は当時から不適切とされてきた。英語圏では、トマス・マロリーの意思と構成を尊重し、様々な作家が、原題に準ずる題名で、アーサー王伝説、円卓の騎士物語、トリスタンとイゾルデ伝説、聖杯伝説などを脚色した作品を主に若者向けに出版している。
ロジャー・ランセリン・グリーンによる改訂版ではオーブリー・ビアズリーが挿絵を手掛けており、井村君江による日本語訳の表紙でもそれらが使用されている。

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