ゴーストワールド

Speculative fiction by Daniel Clowes

Blurb

『ゴーストワールド』は、ダニエル・クロウズ作のグラフィックノベル作品である。 クロウズによるコミックブックシリーズ『エイトボール』誌11~18号に掲載された連作が初出である。1997年にファンタグラフィックス・ブックスから書籍化された。 十代の読者に歓迎された本作は、商業的にも批評の上でも成功を収め、のちにカルト的な支持を受けるようになった。同作の書籍は何度も重版され、2001年には同タイトルで映画化された。 映画版の日本公開に続き、プレスポップギャラリーから単行本の邦訳が刊行された。
本作は親友同士の二人、イーニド・コールスローとレベッカ・ドッペルマイヤーの日々の生活を描いた作品である。1990年代のはじめ、高校を卒業したばかりの二人は知的でシニカル、しゃれの分かる女の子。 アメリカの名もない都市をあてもなくぶらついては、ポップカルチャーや街の人々をこき下ろしたり、人生に迷ったりして日々を過ごしている。 物語が進み、イーニドとレベッカが大人の入り口をくぐるにあたって、二人の間は緊張をはらんだものとなり、互いに離れていってしまう。
十代の日常・友情・若い女性・ポップカルチャー全般に対する本作のコミカルなアプローチは高い評価を受けた。 本作はストーリー漫画の範疇に入るが、ブラックコメディの要素が効果的に使われている。 作者によると、本作は「高校を卒業したばかりの若者二人の生活を実体のない盗聴者として一方的に観察した記録のつもりで描いた。とはいえ、完全に感情移入を排したわけではない。科学者がペトリ皿に入れてある貴重な細菌を可愛いと思うようなものだ」。 コミックの成功を受け、2001年に公開された映画は批評家から好意的な評価を受け、多くの賞にノミネートされた。その一つに、クロウズが携わった脚本に対するアカデミー脚色賞がある。

First Published

1997

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